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焼物百科
2007年1月28日更新
美濃陶祖14代目 加藤康景さん(42)=土岐市 伝統に自分の
焼き物百科・人  2006年9月6日 東濃版掲載
「美濃焼のすばらしさを多くの人に知ってもらいたい」と語る加藤康景さん=土岐市泉町久尻で
▲「美濃焼のすばらしさを多くの人に知ってもらいたい」と語る加藤康景さん=土岐市泉町久尻で

 茶の湯が盛んだった十六世紀の桃山時代。美濃地域では、志野、織部など優れた焼き物が作られ、その名を知られた。土岐市泉町久尻の織部の里公園に今も残る「元屋敷陶器窯跡」は、往時の姿を残し、国史跡に指定されている。美濃窯最古の連房式登り窯を築いたのが、美濃陶祖となった景延だ。
 その窯のすぐ上の小高い丘に、住居兼陶房「?月窯(げんげつがま)」を構える。高山市の古民家を移築し、黒光りする太い柱に支えられた建物の二階のギャラリーには、陶祖が、織田信長から釜師として認められた朱印状が飾られている。美濃陶祖の証しだ。

 康景さんは、十四代目にあたる。「伝統を受け継ぎながら、自分らしさを加え次の世代につなげたい」と話す。

 名門に育ったとはいえ、父の十三代景清さんは、康景さんが高校一年生の時に亡くなり、父から手ほどきで教わったことはないという。多治見工業高校を卒業後に、「ろくろの神様」として知られた備前焼の人間国宝・故山本陶秀さんに師事し、修業を積んだ。「心・技・体」そろってこそ素晴らしい作品が生まれることを実感する。名古屋芸術大彫刻科で、物を見る目、バランスを学んだ。

 「土づくり」から「釉薬づくり」、まきによる焼成まで、自ら手がける。土を探しに山を歩き、時間をかけて土を練る。釉薬も、原石からさまざまに調合して作る。試行錯誤を繰り返しながら、志野、織部を中心に作陶に励んでいる。

 一九九九年には志野花器で「炎の雰囲気がよく表れている」と美濃陶芸大賞を受賞。二〇〇三年には、志野茶わんで庄六賞を受け「ゆがみ、釉薬の溶け具合が秀逸」と評価された。ことし六月には、ニューヨークで二度目の個展を開くなど国際的にも活躍の舞台を広げている。

 使い手の立場にたち「茶わんは、手にとった時に手になじみ、楽しめる作品でなければならない」とし、お茶の関係者からは「風格がただよう」との声が聞かれる。(妹尾浩和)

この記事は「中日新聞多治見支局」のご協力を得て掲載しています
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