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▲灯り空気清浄器など工夫をこらした作品が並んだ新作展＝多治見市東町のセラミックパークＭＩＮＯで

　陶磁器メーカーが技術とデザインを工夫して作り上げた美濃焼の新作が、名古屋市東区のナゴヤドームで十六日から始まる「ドームやきものワールド」（中日新聞社など主催）で展示される。新作は、磁器食器が主流だが、空気清浄器と組み合わせるなど器以外の製品も目立つ。同展の出品作から陶磁器の今後を探った。（清水祐樹）
　「ドームやきものワールド」で紹介されるのは、県陶磁器工業協同組合連合会（岐陶工連）の主催で、十月二十八日から三日間、多治見市東町のセラミックパークＭＩＮＯで行われた「秋の新作展」で入賞を果たした上位二十点。

　新作展では、加盟の七十五社から百七十七点が出品された。今年の特徴は、透光性のある磁器ものの多さ。洋食器の輸出減少などから、最近は陶器ものに押されていたが、昨年くらいから見直しの動きが高まっているという。

　新作奨励審査で最高の中小企業庁長官賞に選ばれたのは、小田陶器（瑞浪）の磁器食器セット。わずかな汚れが致命傷となる磁器もので、洗練されたデザインを精度の高い技術で表現した点が評価された。

　作品の中心は、洋食器や和食器など定番の器ぞろえ。ただ、外食、コンビニ食の増加など食生活の変化から、生活必需品だった食器があまり使われなくなってきたこともあり、器以外の需要開拓を狙ったものも多かった。

　変わり種では、中部経済産業局長賞を受賞した角山製陶所（土岐）の灯り（あかり）空気清浄器。花びらの形の穴が多数開いた織部のつぼの中に紫外線灯とフィルターを組み合わせた清浄器ユニットを入れたもので、来場者の注目を集めていた。

　ほかにも、焼酎やワインのサーバー、薬を入れる仕切り皿、伝統工芸品的な麻縄と組み合わせて和風色を強く出したランプ、武者人形などもあった。

　岐陶工連の坂崎三千敬専務理事は「磁器や陶器のニーズは周期的なもので、基本となるのは、やはり器。技術力が向上し、精度の高い作品が増えた。また、面白いアイデアが多く、多種多様な美濃焼らしさが出た」と今展示会を分析している。